3.11に震えた記憶は少し薄らいだでしょうか。耐震化は、費用対効果を検証する事と、「生命財産の保護」との狭間で、耐震化に費用を掛けないお宅はとても多いです。ここでも「自然には勝てない」多くの日本人の特性が現れます。しかし、倒壊だけは防ぎたいものです。あるいは、できるだけ安全な部屋を一部屋でも造っておきたいものです。シェルターまでとは言いませんが、この部屋に逃げれば命は助かる可能性が高くなる部屋があると良いと思います。財産も大切ですが、まず「命」です。
新築一戸建て住宅の耐震性能は、建築基準法、住宅性能表示制度などの改正により向上してきています。しかし、多くの既存住宅は、現在の建築基準法の耐震基準を満たしていない建物が多く存在します。このため、国や地方自治体では新築住宅だけではなく、既存住宅についても耐震改修工事をすることで安全性、を向上させ、より長期間住むことができるように助成金制度や税制などの支援策を実施しています。住宅の安全性を担う耐震性能については命にかかわる事項として、耐震補強工事の必要性を広報し、その推進を図っているところです。
しかし、一般に昭和56年(耐震基準改正)以前に立てられた既存住宅は、概ね30年以上経過しているために、建て替え志向が強いことや、現行の建築基準法を満たすためには補強工事金額が高額になるなどの理由で、住宅の大きな改修工事などと一緒に行える場合を除き、不安を抱きつつも住宅全体の耐震補強を主とした単独の工事を行うケースは少なのが現状ですが、工事予算との兼ね合いで寝室や居間など生活時間の長い部屋のみの耐震化工事をするケースは増えているようです。
住まいの耐震化
阪神・淡路大地震では6,400人を越える尊い命が奪われました。その犠牲者の実に8割以上が家屋の倒壊等による圧死が原因でした。
地震の起こりやすい「活断層」は全国至る所にあります。また、海洋性の地震では、「東海地震」はもういつ来てもおかしくないと言われていますし、「東南海・南海地震」においても600を超える市町村が対策推進地域に指定(平成15年12月16日現在)されており、国や地方公共団体も古い住宅の耐震化を積極的に進めようとしていますが、なかなか耐震化が進んでいないのが現状です。
地震はいつ、どこでやってくるかわかりません(例えば、南海・東南海地震の発生確率は交通事故で負傷する確率より高いというデータも公表されています)。
阪神・淡路のような悲劇を繰り返さないために、何より自分や自分の家族が住宅の下敷きになって命を落とさないように、現在住まわれている住宅の耐震性能をしっかり把握し、適切な耐震補強を行うことが必要となります。
あなたの住まいは大丈夫?
構造の安定性(耐震性)については、住宅性能表示制度で「耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)」という評価方法基準が定められており、耐震性能が三段階の等級で示すことができます。
また、木造戸建住宅においては、(財)日本建築防災協会発行の「木造住宅の耐震診断と補強方法」の診断方法が広く用いられており、地方公共団体による耐震診断・耐震補強に対する助成制度も、この診断方法による診断の結果を要件としていることころが多いようです。
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監修:国土交通省 編集:日本建築防災協会
建物の腐朽や傷みを事前に予測
耐震化工事の補強方法は家の現況状態によって対応策が検討されます。間取りや壁の量、バランス、筋交い種類などのチェックにより補強方法を決めていきます。しかし、大切な確認事項として雨漏りやシロアリなどによる構造体の腐朽についてのチェックがあります。壊して見ないと分らない場合もありますが、赤外線サーモグラフィーなど非破壊検査で想定できる場合もあります。事前の調査が思わぬ出費や、工事不良を防ぐこととなります。